ナキムシハナコの奮闘日記

教師になるという長年の夢が叶うものの、うまくいかないことばかりで悔し涙があふれる日々。そんなハナコの日常をちらみせブログ。

U.S.Aからの解放

秋といえば、体育大会。

1年の中で、体育科が一番頑張らなければならない季節。

私の学校では、女子はダンスを行うということで、ダンス経験のない私は、夏休みが入ったころからずっとソワソワ。

台風の影響で延期になったものの、昨日無事に終えることができ、ホッとしているところ。

ダンスを成功させるまでの、あんなことやこんなことを来年に活かすために書こうと思う。

 

ダンスを行うにあたって、まずは曲選び。

ミーハーだとは思うが、今年は絶対DA PUMUの「U.S.A」は、入れないといけないなと感じていた。

そうは思いつつもフリを考えるところまで、なかなか行動が写せず、夏休み中はテレビでU.S.Aが流れる度に、あ~~~~~~~~と嫌な気分になったのを覚えている。

 

2曲目は、すごく悩んだ。

元気で明るくて踊りやすい曲がいいなと思っていたが、なかなか見つからない。

そんなときに、試合の帰りの車でFM802で流れてきた曲にビビっときた。

それが、Mrs.GREENAPPLEのWanteD WanteDだった。

Mrs. GREEN APPLE WanteD! WanteD! 歌詞&動画視聴 - 歌ネット

歌詞を見てわかる通り、この曲は

人と違うことをすることが恥ずかしかったり、何かに一生懸命になることがダサいと思われるのではないかと本当の自分をさらけだせない、でも心の底では本当の自分を探しているというものである。

あの子たちにピッタリだと思った。

 

曲は決まった。しかし、振り付けがなかなか思いつかない。

ダンスの研修に行くも、2曲分はなかなか埋まらなかったので、高校や大学のダンスの得意な友達に助けてもらった。ちなみに友達みんな先生。

こんなとき、仲間がいて本当に良かったなと思う。

みんなそれぞれ自分の仕事や予定があるのにもかかわらず、嫌な顔ひとつせずに助けてくれた。

この子たちがいなければ、自分が納得できる良いものは絶対できなかった。

心からありがとう。

 

夏休み明けの9月、いよいよダンスの練習がスタートした。

どんな反応かすごく不安だった。

ダンスが苦手という子どもたちもいたが「まずは、堂々大きくやってみる」を約束し、やってみた。

「おしりが筋肉痛です」という生徒もたくさん出てくるくらい、本当に楽しそうに踊ってくれた。

 

1週間ほどで、一通りのフリを教えたら、各クラスで8×4カウント分、自分たちのクラスの踊りを考えさせた。

その8×4でコンテストをし、本番のポジションを決めるのだ。

これがすごく揉めた。

誰も率先してダンスを考えないクラス、センターで踊るのを誰にするかで揉めるクラス、、

「そんなしょうもないレベルの低いことしてきたんとちがうねんけど!!」と本気で叱ったこともあった。

でもコンテストには全員間に合わせ、子どもたちのエネルギーを感じて泣いた。

 

コンテストが終わり、3日ほどグラウンドで外でのポジションを確認し本番を迎える予定であったが、雨が続き、なかなか外に出るタイミングがなかった。

グラウンドでは、子どもたちに実際に動いてもらわないとわからないこともあり、(移動が間に合わない等)、何度も変更して子どもたちを動かしてしまい、ダレた雰囲気を作ってしまったこともあった。

最後の最後まで移動が間に合ったことはなく本番を迎えることになった。

 

最後の練習の日、子どもたちには

「あなたたち誰ひとりが欠けても成功しません。髪の毛を触ったり、動いてみたり、気持ちがひとりでも違う方向にいっていたら成功しません。今までこのダンスでクラスでぶつかったりうまくいかなかったことがあったことは聞いていますが、ここまで頑張ってやってきたのだから、やりきりなさい。そうやって一生懸命やったとやり切ったときに本当の楽しさを感じることができるんやで!感動させることができるんやで!」と伝えた。

 

本番は、朝礼台から彼女たちを見守る。

自分が踊るわけではないのに、足が震えた。

きちんと入場門に並べているかな。移動間に合うかな。

色んな不安が頭にめぐる。もう、彼女たちを信じるしかなかった。

 

曲が流れ始まると同時に、下を向いて立っている彼女たちの顔があがる。

その顔は本当にキラキラしていてそれだけで感動した。

目が合い、さらにニコっと笑う彼女たち。天使だった。

心配していた移動も50m走かと思わせるかの本気ダッシュで全員間に合わせてくれた。

最初から最後まで、彼女たちはやり切ってくれた。

信じてよかった。本当に頑張ってくれたなと思う。

 

演技が終わると保護者の方が、「今年のダンスほんとによかった!かわいかった!」と声をかけてくれた。また、体育大会の打ち上げでは、「教師半年でここまでできたのはほんとにすごいよ!子どもたちもあなたやから最後までついていこうと思ったし、実際にやり遂げることができたんやと思うよ!」と色んな先生に言ってもらい、なんだか頑張った甲斐があったなと感じることができた。

 

でも私は自分ひとりでは、絶対に成功させることはできなかったと思う。

1年目の私にここまで自由にやらせてもらえること。

でも、見えないところでたくさんの先生が支えてくれていること。

そもそも、1年目の私が朝礼台に立たせてもらえること。

当たり前じゃないと思う。

ダンスのフリ一緒に考えて~と頼んだら、すぐ集まってくれる友達がいてくれることも当たり前じゃない。

たくさんの「おかげ」があっての成功だなと心から思えた日だった。

最後まで頑張ってくれた子どもたちもありがとう。

 

叱ることもたくさんあるけど、それも愛。

最後までこの子たちと頑張ろう。

 

 

U.S.A.

U.S.A.

 

 

 

WanteD! WanteD!

WanteD! WanteD!