悩みの種であり味方であったもの
配属校がどこになるかよりも、ずっとずっと頭の中をぐるぐるしていたもの、
それは何部に所属するかということだった。
私は、土日はゆっくり休んで趣味の登山や旅行を楽しみたい人なので、絶対に部活動をやりたい!!というわけではなかった。
しかし、体育科なので部活をもたないというわけにはいかない。
せめて、専門種目であるバレーボール部の顧問だったらいいなと願っていた。
ちょうど、バレーボール部の顧問だった先生が1人転勤され、空きがあったのでバレーボール部の顧問になりたいという願いは叶ったのだが、これがとてもとても大変だったのだ。
- 強いがゆえの休みの少なさ
私の学校は、地区大会でベスト4に入るようなチームだったので土日は、1日練習ということもざらにあった。
大学時代、自分の好きなことをして生きてきた私にとって、自分の時間がなくなるということが耐えられなかった。
以前書いたように、働き始めてはじめての休みが30日後だったのだ。
1ヶ月に1回といえる貴重な休みも、くたくたで1日中寝て終えてしまった。
そのことが、教師という仕事がブラックだと言われている理由の1つだと強く実感した。
覚悟していたはずなのに、わかっていたはずなのに、なかなか現実を受け止めることができなかった。
- 子どもとの人間関係
はじめて、あの子たちと出会ったときのことを今でも覚えている。
きらきらした目で集合し、ひとりひとり自己紹介をしてくれた。
若い女の先生がきて嬉しい!!という思いが溢れ出ていた。
ほぼ完成しきっているチームの中に新しく入って指導するということは、思った以上に難しく感じた。
何か指導しようとしても、そんなこと最近きた人に言われなくてもわかってるわ感。疎外感というのか、反抗心というのか、言葉では説明しにくいがそんなものを感じた。
キャプテンの子は、思っていることを態度にも口にも出すので、何度もぶつかった。
練習方法だったり、バレーに対する姿勢であったり、半年という短い期間であるのに、数え切れないくらいたくさんぶつかった。
何度ぶつかっても私が引かなかったからか、いつの間にか理解してもらえた気がする。
そんな3年生が先日引退した。
引退がきっかけでこの半年間のことをふりかえってみた。
部活は私にとって、1番の悩みの種だった。
休みがなくて彼氏とすれちがい別れたり、子どもたちとぶつかったり。
でも、授業がうまくいかないときなど、どうしよう!!と思ったときにいつも助けてくれたりサポートしてくれていたのは、バレー部の子どもたちだった。
失敗したときも、部活が逃げ場になっていたこともあった。
一生懸命頑張る彼女たちを見て、大好きな山登りの時間やプライベートの時間を削ってでも、共に戦うことを自分自身でいつの間にか選んでいたのである。
一番ぶつかって悩んだけど、一番わたしの味方であってくれた。
知らず知らずのうちに私が、彼女たちに成長させられていたんだなあと。
部活動は確かに、ブラックだと思う。ほぼボランティア活動。
でも部活動がなくなったら、それはそれで困るのかも。
部活ばかりしてたら婚期も逃しそうですが、今は一緒に一生懸命頑張ってみるのもありかなと思い、子どもたちと一緒に汗を流しています。
教師なって1年目で、大舞台で一緒に声を枯らす経験もなかなかできないよね。
すばらしい環境に置かれてるなあ。感謝しなければ。
3年生、ありがとう。
さらに素敵な女性になることを願います。
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