監督の仕事とは
きのう、バレーボールの地区大会の決勝リーグがあった。
ベスト4に入った4つのチームでリーグ戦をして1位を決めるのだ。
新チームになってから、この大会で優勝することを目標に頑張ってきたので、勝負の日であった。
この日、主顧問の先生は北海道へ結婚式に行くことになっていて、大会に一緒に行くことができないので私が監督としてベンチに座ることになった。
主顧問のI先生は、前日の練習の集合で、「本当はみんなと大会に行きたくて胸が苦しいけれど、若い二人の先生とみんなにこのチームを任せて北海道に行く!」とチームの前で涙を流した。
(この涙は、演技らしい。今日の集合で涙流すわ!って宣言しての涙だったので、この演技力もすごいなと感心した。)
子どもたちは、いつも厳しいI先生の涙を見て、絶対勝つという気持ちを持って大会に臨んだ。
結論からいうと、この大会では全試合負けてしまったのだ。
全員がボロボロだった。
サーブキャッチはあがらない。トスは乱れる。
乱れたトスを打ち返す力もない。
ここというしんどいときにチームで声をかけあって頑張れない。
朝のアップの時点で手抜いていたり、普段からこれくらいならいいやと自分に弱い気持ちになっていたのが、ここであらわれたなと感じた。
ボロボロに負けたのにもかかわらず、帰りの準備もダラダラおしゃべりをしている。
さすがに呆れてしまった。
学校に帰ってからの集合で、
「I先生がおらんくてこうなってるんやったらカスなチームやな。
アップさぼる、日ごろの練習手抜くっていうのが全部あらわれてるやん。
これからどうしていくの?このままやったら優勝って二度と口にするな。
全員の意識をガラッと変えな無理やから」というようなことを言ってだいぶ突き放してしまった。
泣いているキャプテン、意味わからんとふてくされる副キャプテン(脱走少女B)、
子どもたちの反応は様々であったが、家に帰っても私自身の心のモヤモヤは晴れなかった。
なんでこんなにモヤモヤ苦しい気持ちなんだろうと考えてみた結果、
I先生がいなくて頑張れなかったのは子どもたちではなく自分なのではないかという想いがあるからだと気づいた。
I先生があの場にいたら、子どもたちをもっとリズムに乗せることができたのだろうかなど自分の力不足感を感じていつつ、子どもたちを突き放して帰ってきたからだと。
悩んだ結果、今の自分の想いを2年生に伝えてみることにした。
今日は選抜の選考会の引率で2年生しかいなかったので、連れていく前に、きのう最後あんな話をしたけれど、これからみんなはどう頑張っていこうと思ってる?と聞いた。
いろんな意見が出てきたあとに、
「本当は、先生も自分が成長しないとって一番感じてる。もっとみんなをリズムに乗せてあげなあかんかったし、それは先生の課題。優勝したいんやったら、今のみんなの意識のままじゃあかんから、嫌われる覚悟で厳しいことも言うし、もっと頑張らなって思うけど、このままあなたたちが何も変わらないのであれば、先生だけが頑張らなってなるのも、わざわざあなたたちに嫌われるような厳しいことを言うのもあほらしいから、目標を変えよう。2年生ひとりひとりの意志を確かめたい。」と伝えた。
優勝したい。今まで以上に頑張る。1年生の世話もちゃんとする。さぼらない。と言ったので、じゃあ先生も頑張る。でも裏切ったら、もう一緒に頑張らないと約束した。
いちいち、こんなこと言うことでもないかもしれないし、大人になってなんで先生はあんなに怒ってたのだろうとあとになって気づかせるのがいいのかもしれないが、私は私のやり方で、自分の想いを噛み砕いてでも伝えるという方法でもいいやと思った。
選抜選考会では、きのうの試合を見ていた隣の中学校のK先生(いつもお世話になってる)に、しっかりしなさい!と喝を入れてもらった。
K先生は、「私も若いころは感情論・根性論だけで子どもらに叱ってたけど、監督が本当にしないといけないのは、すべきことの交通整理なんやで!」と教えてくださった。
きのうのうちの子たちは、自分がすべきことをきっちりせずに、ほかの人がすることにまで手をつっこんでバラバラでボロボロだった。
そうなったときに、きちっと整理してあげないと、崩れていってしまうよ!とアドバイスをいただいた。
たしかにI先生は自然といつも交通整理をしているなと思った。
それが私にできる力があったら、少しは結果が変わっていたのかな。
思うことは色々あるけれど、とてもいい経験になった。
子どもたちと一緒に私も本当に成長しないといけないなと思った。
子どもたちと春の地区大会、優勝リベンジする!!
背中で見せてくれるI先生、ことばで教えてくれるK先生。
やっぱり、まわりの環境には恵まれてるなあ。
休みがないのはしんどいけど、やるからにはできるとこまで頑張らないとなあ。
まだまだ伸びしろを感じた休日でした。